掃き溜め場

しんどいオタクの戯言

盲目になんてなれない

 


これまでネタで頻繁に連呼してた「しんどい」「死にたい」「上がりたい」がいよいよマジっぷりを帯びてきた。もうおしまいかもしれない。


推しさんを追っかけることに疲れた。


そもそも私は初めて推しさんがいるイベントに行ったとき、彼の演技や声に惹かれて沼に嵌ったのではなく、初めから彼の人間性そのものに惹かれてしまった、言って仕舞えば唯のリアコだった。便宜上自分のことをファンだとかオタクだとか名乗るようにしてはいるが、そもそも私は推しさんのファンでもオタクでもない。だから推しさんを「推し」と呼ぶことすら厳密に言うと間違いなのだけれど。まあいろいろ面倒なのでこの記事でも自分のことをオタク、彼のことを推しさんと呼ぶことにする。


何があったのか、と言われると特に決定的な何かがあったわけではないのだが、初めて会ったときからこれまでの間、推しさんが出演する現場には私生活の諸々を投げ打ってでも予定を空け殆ど全部に足を運び、毎回長ったらしい手紙と偶に消耗品ばかりではあるがプレゼントも添え、生放送やSNSなども全てくまなくチェックし、まあそんな感じで推しさんを中心に世界が回っていたこの生活に疑問を抱いてしまった。


何度も繰り返すが、私は推しさんの演技が好きなわけでも声が好きなわけでもない。寧ろ演技は正直未だに成長も感じられなければ伸び代も見えてこなくて、声質についても私の好みとは真逆のタイプだ。これから先、この世界で生き残っていけるのか毎日不安に思っている。

それでも誰にでも気軽に接して仲良くなり、何事も楽しんで取り組む推しさんが大好きだった。彼の歌声が、歌っているときの彼が、何よりも大好きだった。一人の男性として、推しさんのことが大好きだった。推しさんに会いたい一心で、私はお金を落とし続けた。片道12時間以上バス移動を強いられることも、推しさんと会えるたった数時間のために諭吉を何枚も飛ばすことも、私にとっては全く苦ではなかった。だって好きな人に会えるんだから。恋する女っていうものはいつの時代も強かだなあ、と他人事のように思う。

だけど、更新されるSNSを見る度、生放送を見る度、現場に足を運ぶ度、自分の中で言いようのないモヤモヤが膨らんでいくことにも気が付いていた。何に対してモヤモヤしているのか分からない、ラベリングできない感情を抱えながら、それでも私は推しさんのことが大好きで、だからこれについては深く考えずに彼のことを追っかけ続けた。…今思えば一種の自己防衛だったんだと思う。

 

そんなとき、…数ヶ月前の話なのだが、推しさんが所謂プチ炎上した。よくある女絡みの炎上ではなく、単に推しさんがお仕事でやらかしてしまっていた。
ただその内容自体は本当に些細なことで(あくまでも私はそう思った。フォロワーさんに指摘されるまで燃えていること自体にも気付いていないくらいだったから)、なんでこんな大事になってるんだと興味本位でエゴサをかけた私が悪かった。

確かにそのとき燃える原因となった件に怒っている人も沢山いたのだが、今までもずっと推しさんに対して不満を抱いていた人達が、絶好のチャンスとばかりにそれに便乗し、過去の推しさんの言動などをつつき回しているという状況を目の当たりにしてしまった。
そのとき、気付いてしまった。これまで目を逸らし続けていたモヤモヤの原因。私も推しさんの言動に不満があったんだ。あのとき感じたモヤモヤは推しさんのこの言動、このとき感じたモヤモヤは推しさんのこの言動、面白いくらいスムーズに自分の感情がラベリングされていって、され終わって、残ったのは推しさんに対するヘイトだけだった。シンデレラの魔法が0時になった瞬間解けてしまったみたいに(実際はこんなロマンチックで可愛らしいものではなかったのだが)、あんなに苦しくなるくらい大きくて重たかった私の中の推しさんに対する好意が、一瞬にして消えてしまった。


一度魔法が解けて我に返ってしまうと、これまで見えなかった、あえて目を逸らし続けていた現実にも沢山直面した。ガチ恋フィルターって怖いね!
今となっては推しさんのSNSが更新されてもああまた叩かれるネタにされるんだろうな、としか思えなくなってしまったし、現場に行っても無意識の内に推しさんの粗探しをしてしまうようになった。
今まであれだけ目の敵にしていた推し被りに関しても、あんな人に盲目ガチ恋できるなんて言っちゃ悪いが相当お花畑なんだな、まあ推しさんも頭弱いし何やってもちやほやしてくれる信者がいて嬉しいんだろうな、くらいにしか思わなくなった。…今リアルタイムでこれを打っていて我ながら自分の冷め具合にドン引いている。


今回の推しさんに関しては過去最速且つ最高の拗らせ度だったのだが、終わるときは相も変わらず一瞬なんだなあって思った。あれだけ費やしたお金も時間も、全部無駄になっちゃったなあ、なんて考えてしまう。
推し変や他界するときに「この人を好きになったことを後悔してません」みたいなことを言うオタクをよく見るが、そんな綺麗事私には到底言えそうにない。私は頭の弱い人間が嫌いだ。だからこそ推しさんの頭の弱い部分が露呈してしまった今、彼に対してヘイト以外の感情が湧いてこないし、そんな推しさんをちゃんと見抜けずにバカみたいに好いていた自分にも嫌気がさしている。


つい先日、まだ私が我に返る前に応募していた接近イベントの当選連絡が来てしまったので、それに行って、その後に何個かフォロワーさんと連番の約束をしているイベントのチケットも取ってしまっているのでそれにも行って、全部終わったらけじめをつけようと思っている。もう1ヶ月以上会っていないから、この短期間で彼が劇的に変化していたら考え直さなきゃな、なんて思ったりしてはいるが、まあそんなことはないだろう。


心はすごくスッキリしている。これが一番正解だったのだと思う。それなのになんで涙が止まらないんだろうなあ。